意志力ゼロでも大丈夫!頑張らない習慣化の仕組みづくり
忙しい毎日でも「続けたい」があるあなたへ
新しい習慣を始めたいけれど、「時間がない」「疲れていてやる気が起きない」と感じていませんか。あるいは、意気込んで始めてみたものの、三日坊主で終わってしまい、「また失敗してしまった」と自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
完璧にこなそうと頑張りすぎたり、強い意志力で無理に続けようとしたりするのは、忙しい日々の中ではとても大変なことです。特に、家事や仕事、家族の世話に追われていると、自分のための時間やエネルギーは限られてしまいがちです。
この記事では、そんな忙しいあなたが、意志力に頼ることなく、自然と無理なく続けられるようになる「習慣化の仕組みづくり」についてご紹介します。頑張るのではなく、ちょっとした「仕掛け」を取り入れて、ゆるく、心地よく習慣を続けるヒントを見つけていきましょう。
なぜ「意志力」に頼ると続かないのか
私たちは、「これをやろう!」と決意したとき、最初はやる気に満ちています。このやる気の源の一つが「意志力」です。しかし、意志力は有限だと言われています。仕事で疲れたり、大変な出来事があったりすると、意志力は消耗してしまい、新しいことや面倒に感じることにエネルギーを使うのが難しくなります。
忙しい毎日では、決断したり、誘惑に抵抗したり、感情をコントロールしたりと、知らず知らずのうちに意志力をたくさん使っています。そのため、「さあ、これから新しい習慣を始めるぞ!」と思っても、いざその時間になると「やっぱり疲れたから明日にしよう…」となってしまうことがよくあります。
習慣を定着させるためには、この「意志力」に過度に頼るのではなく、「仕組み」や「流れ」を作ることが大切です。歯磨きをするのに「さあ、歯を磨くぞ!」と強い意志力が必要ないように、生活の一部に自然と組み込まれるような形を目指すのです。
意志力ゼロでできる!習慣化の簡単な仕組みづくり
では、具体的にどのような「仕組み」を作れば良いのでしょうか。完璧を目指さず、まずは小さなステップから始めてみましょう。
1. ハードルを極限まで下げる仕組み
「運動習慣をつけたい」と思ったら、「毎日30分ランニング」ではなく、「靴を履いて玄関に出るだけ」にハードルを下げてみます。読書なら「1冊読む」ではなく、「本を開くだけ」や「1行だけ読む」でも構いません。
このように、「始めるまでの最初の行動」を、どんなに疲れていてもできるくらい簡単なレベルまで下げるのがポイントです。そして、この「最初の行動」を自動的に行うための仕組みを考えます。例えば、
- 運動靴を玄関に置いておく
- 読みたい本を枕元やソファのすぐそばに置いておく
- 朝起きたらすぐに水を飲む、という習慣なら、寝る前にコップと水をセットしておく
こうすることで、「さあ、やるぞ」と気合を入れる前に、自然と行動に移りやすくなります。
2. 「〇〇したら△△する」の行動トリガーを仕組みにする
既存の習慣や日常的な行動を「トリガー(引き金)」にして、新しい習慣とセットにする方法です。これを意識的に仕組み化します。
- 「朝食を食べ終わったら、すぐに今日のTODOを一つだけ確認する」
- 「洗濯機を回したら、その待ち時間にスクワットを5回だけ行う」
- 「帰宅して手を洗ったら、観葉植物に水をスプレーする」
このように、「すでに習慣になっている行動(〇〇)」と「新しく始めたい習慣(△△)」を結びつけます。ポイントは、トリガーとなる行動の直後に新しい習慣を行うことです。これを繰り返し行うことで、「〇〇したら次は△△」という流れが自然と生まれてきます。トリガーとなる行動を決めたら、それを書いた付箋をよく見える場所に貼っておくのも良い仕組みです。
3. 場所や時間を「習慣のスイッチ」にする仕組み
特定の場所や時間を、その習慣を行う合図(スイッチ)として固定します。これも意志力を介さずに行動を促す仕組みです。
- 「このソファに座ったら、日記を1行書く時間」
- 「寝る前の〇分間は、軽いストレッチをする時間」
- 「キッチンを片付け終わったら、ハーブティーを淹れてホッと一息つく」
このように、「いつ」「どこで」何をするかをあらかじめ決めておくと、その場所に行ったり、その時間になったりしたときに、「あれをやる時間だ」と自然と思い出しやすくなります。特定の場所や時間と習慣を紐づけることで、脳がその行動を予測しやすくなり、スムーズに移行できるようになります。
4. 環境を整えることで「やらない」を仕組みにする
習慣化は、「やるべきこと」だけでなく、「やらないこと」を決めることも含まれます。誘惑を断つための仕組みも重要です。
- スマホを触ってしまう時間を減らしたいなら、特定の時間は通知をオフにする設定にしておく
- 夜更かしをやめたいなら、寝室には本やリラックスできるものだけを置き、仕事やエンタメに関するものを置かない
このように、自分がついやってしまう行動の原因となるものを遠ざけたり、物理的にアクセスしにくくしたりすることで、無駄な意志力を使わずに「やらない」を継続しやすくなります。
5. 仕組みを「見える化」してゆるく振り返る
作った仕組みがうまくいっているか、いないかをゆるく確認する仕組みも大切です。毎日完璧に記録する必要はありません。
- 簡単なチェックリストやカレンダーを用意し、できた日に印をつける(「できた/できなかった」ではなく、「やった/やらなかった」くらい軽い感覚で)
- 週末に5分だけ時間をとり、どんなときに習慣ができたか、できなかったかを軽く振り返る
これは、自分を評価するためではなく、仕組みが機能しているかを確認し、必要ならゆるく調整するための仕組みです。うまくいかない日があっても「今日は難しかったな、明日はどう工夫してみようかな」と前向きに捉え直すためのステップとします。
完璧を目指さない考え方も「仕組み」の一部
習慣化の仕組みづくりは、ツールや手順だけでなく、あなたの「考え方」も重要な要素です。
- 小さな成功を認める仕組み: 「できたこと」に意識を向け、自分を褒めてあげましょう。「今日は1行しか読めなかったけど、本を開くことはできた!」というように、小さな一歩を認める習慣をつけることで、続けるモチベーションにつながります。
- 失敗しても気にしない仕組み: 習慣ができなかった日があっても、「まあ、そういう日もあるよね」と受け流す心の持ち方です。完璧主義を手放し、「ゆるく続ける」ことを目標にすることで、挫折感を減らし、また明日から気楽に再開できます。
- 楽しむ工夫を取り入れる仕組み: 習慣そのものが少しでも楽しくなるような要素を加えます。好きな音楽を聴きながら行う、お気に入りの道具を使う、達成したら小さなお楽しみを用意するなど、ポジティブな感情と結びつけることで、義務感ではなく心地よさから続けられるようになります。
これらの考え方を意識することも、習慣を定着させるための大切な「心の仕組み」と言えるでしょう。
最後に:小さな仕組みから心地よい毎日を
忙しい中で新しい習慣を取り入れることは、最初は大変に感じるかもしれません。しかし、意志力に頼るのではなく、今回ご紹介したような簡単な「仕組み」を一つずつ取り入れていくことで、驚くほど楽に続けられることがあります。
最初から全てを完璧にしようと思わず、まずは「これならできそうかな」と感じる小さな仕組みを一つだけ試してみてください。成功体験を積み重ねることで、自信がつき、次の仕組みづくりに繋がっていくはずです。
習慣化の目的は、自分を追い込むことではなく、日々の生活を少しでも心地よく、豊かにすることです。完璧でなくて大丈夫。あなたのペースで、ゆるく、少しずつ。
小さな仕組みが、あなたの毎日をより快適で、心にゆとりのあるものに変えていくことを願っています。