モチベーションに頼らない!流れるように続くゆる習慣
忙しい毎日でも「流れるように」続く習慣を
新しいことを始めたいと思っても、「なかなかやる気が出ない」「始めても三日坊主になってしまう」と悩むことはありませんか。特に時間に追われる日々の中では、「よし、今日から頑張るぞ!」と意気込んでも、疲れや予期せぬ出来事によって計画が崩れてしまい、結局何も続けられなかった、という経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
習慣化には「強い意志」や「高いモチベーション」が必要だと思われがちですが、実はそうではありません。人間のやる気は波があり、常に高いモチベーションを維持するのは難しいものです。だからこそ、やる気に左右されず、まるで川の流れのように自然と続けられるような「ゆるい習慣」を取り入れる考え方が大切になります。
この記事では、忙しい毎日を送る方でも、無理なく、頑張りすぎずに続けられる「流れるようなゆる習慣」のヒントをご紹介します。
なぜモチベーションに頼る習慣化は難しいのか
私たちは、何かを始めるときに「やる気」という感情を頼りにすることがよくあります。「やる気があるからできる」「やる気がなくなったら終わり」と考えてしまいがちです。しかし、やる気は天気のように変わりやすく、自分の意志だけではコントロールできません。
体調が悪い日、気分が乗らない日、忙しくて時間がない日、そんな日にはどうしてもやる気が出にくくなります。モチベーションだけに頼っていると、こうした「やる気のない日」に習慣が中断してしまい、そのまま挫折につながってしまうことが多いのです。
「流れるようなゆる習慣」の考え方
そこで目指したいのが、モチベーションに頼らない「流れるようなゆる習慣」です。これは、「頑張って続ける」のではなく、「生活の流れに自然に組み込む」「仕組みで続ける」という考え方です。完璧を目指すのではなく、「とにかく続けること」に価値を置きます。
この考え方に基づく習慣化は、以下のような特徴を持ちます。
- 完璧主義を手放す: 毎日できなくても、決めた通りに進まなくても気にしません。「できたとき」を大切にします。
- ハードルを極限まで下げる: 始めるためのエネルギーがほとんどいらないくらい、簡単で小さなステップに分解します。
- 既存の行動や時間・場所と結びつける: すでに生活の中に組み込まれている習慣や特定のタイミング、場所を起点にします。
- 「頑張る」ではなく「淡々と行う」: 感情に左右されず、決められたら行う、という機械的なくらいの意識で取り組みます。
流れるようなゆる習慣を始めるヒント
では、具体的にどのようにすれば「流れるようなゆる習慣」を生活に取り入れられるのでしょうか。いくつかのヒントをご紹介します。
ヒント1:既存の行動とセットにする(行動トリガー)
これは、「〇〇をしたら、必ず△△をする」のように、すでに習慣になっている行動を「トリガー(引き金)」にして、新しい習慣を紐づける方法です。
たとえば、
- 「朝起きてコップ一杯の水を飲んだら、ついでにストレッチを1分する」
- 「歯磨きを終えたら、ついでに洗面台をサッと拭く」
- 「お風呂から上がったら、ついでにその場で簡単な肌のお手入れをする」
このように、普段無意識に行っている行動の直後に新しい習慣をセットすることで、「さあ、やるぞ!」という気合いがなくても、自然な流れで次の行動に移りやすくなります。「ついでに」「流れで」行う感覚を大切にしましょう。
ヒント2:始めるまでのハードルをゼロにする(ベビーステップ)
習慣にしたい行動を、これ以上ないくらい小さなステップに分解します。あまりにも簡単すぎて、「やらない理由がない」レベルにするのがコツです。
たとえば、「毎日運動する」ではなく、
- 「運動靴を玄関に出しておく」
- 「着替えるだけ」
- 「スクワットを1回だけする」
といった具合です。
「本を読む」なら「本を開くだけ」、「日記を書く」なら「日付を書くだけ」でも構いません。まずは「始めるための最初の小さな一歩」だけを行います。不思議なもので、たった一歩でも始めてみると、その流れで次のステップに進みたくなることがあります。進まなくても、最初の小さな一歩ができただけでOKです。
ヒント3:時間や場所と紐づける
特定の時間帯や場所を、その習慣を行うための目印にします。これも生活のリズムや環境をトリガーにする考え方です。
- 「毎日同じ時間に目覚ましをかけずに起きる(ゆる早起き)」
- 「通勤電車の中で〇〇をする」
- 「休憩時間になったら軽いストレッチをする」
- 「キッチンに立ったついでに、換気扇を拭く」
時間や場所が来たら、感情に関係なく淡々とその行動に移るようにします。場所を習慣と結びつける際は、その場所をその習慣以外では使わないようにすると、よりスムーズに習慣化が進むことがあります。
ヒント4:「やらないこと」を決めて心のゆとりを作る
何かを「始める」ことだけでなく、意識的に何かを「やめる」ことも、習慣化においては大切です。特に忙しい方は、タスクを詰め込みがちで心に余裕がなくなってしまいます。
- 「〇時にはスマホを見ない」
- 「寝る前にネガティブなことを考えない時間を作る」
- 「完璧に掃除をしようとしない」
など、「やらないこと」を決めることで、時間や心のエネルギーにゆとりが生まれ、新しい「ゆる習慣」を取り入れやすくなります。完璧主義を手放すことそのものも、心地よい習慣の一つと言えるでしょう。
ゆるく続けるための心の持ち方
「流れるようなゆる習慣」は、完璧を目指しません。だからこそ、途中でうまくいかない日があっても、自分を責めないことが何よりも大切です。
- 「できなかった日があっても大丈夫」と受け入れる: 人間なので、できない日もあります。それは失敗ではなく、単に「今日はできなかった」という事実です。次の日に淡々と再開すれば良いのです。
- 小さな変化や成功に気づく: 「たった1分だけどできた」「昨日より少しだけ長く続けられた」といった小さな進歩を見つけて、自分で自分を褒めてあげましょう。
- 他の人と比べない: 人それぞれ生活リズムもエネルギーも違います。自分にとって心地よいペースと方法を見つけることが重要です。
- 楽しむ工夫を取り入れる: 好きな音楽を聴きながら行う、好きな香りを焚く、可愛らしいツールを使うなど、習慣そのものが少しでも楽しくなるような工夫を取り入れると、より自然に続けやすくなります。
習慣化は、自分を追い込むためのものではありません。日々の生活を少しでも心地よくするためのツールです。
小さな流れから、心地よい日々へ
「流れるようなゆる習慣」は、最初は大河の流れのように壮大である必要はありません。小川のせせらぎのように、ほんの小さな一滴から始めれば良いのです。
やる気やモチベーションに頼らず、既存の生活の流れに小さな行動をそっと乗せてみる。ハードルを下げて、最初の小さな一歩だけ踏み出してみる。それを淡々と繰り返すうちに、いつの間にかそれはあなたの日常の一部になっているかもしれません。
完璧でなくても、少しずつでも。その「続く」という小さな積み重ねが、やがて自信となり、日々の暮らしに穏やかなゆとりと心地よさをもたらしてくれるはずです。さあ、今日の「流れるような」一歩、何から始めてみますか。