「これだけやればOK」自分だけの最低ライン 忙しい日のゆる習慣基準
忙しい毎日でも、新しい習慣を始めたい気持ち
日々の暮らしに追われていると、自分のための時間を持つことが難しく感じられます。「何か始めてみたいな」と思っても、「どうせ時間がないし」「疲れていてやる気が起きない」と、なかなか一歩を踏み出せずにいる方もいらっしゃるかもしれません。
以前に何か新しい習慣を始めようとして、「毎日完璧にやろう」と頑張りすぎてしまい、結局続かずに諦めてしまった経験がある方もいるかもしれません。頑張り屋さんの人ほど、そうなりやすいのかもしれません。
でも、もし「完璧」を目指さなくても良いとしたらどうでしょうか。ほんの少しだけでも良いとしたら、少し気持ちが楽になるかもしれません。この記事では、そんな「頑張りたくても頑張れない日」や「時間がない日」があっても大丈夫な、「ゆるい習慣化」の考え方と、「これだけやればOK」という自分だけの「最低ライン」を設定する方法をご紹介します。
「最低ライン」を設定するとは?
「最低ライン」とは、簡単に言うと「これだけはやる」と決める、習慣化したい行動の最小単位のことです。
例えば、「毎日腹筋を50回やる」という目標があったとします。これを「最低ライン」方式で考えるなら、「疲れていても、スクワットを1回だけやる」とか、「腹筋の体勢をとるだけ」というように、極限までハードルを下げた行動を「これだけやればOK」と設定するのです。
一見すると、「たったそれだけ?」と思われるかもしれません。しかし、この「たったそれだけ」が、忙しい人やエネルギーがあまり湧かない人にとって、習慣を継続するための強力な味方になります。
なぜ「最低ライン」が習慣化に役立つのか
始めるハードルが極めて低い
新しい習慣を始めるのが億劫になる理由の一つは、「大変そう」「時間がかかりそう」と感じてしまうことです。でも、「スクワット1回だけ」なら、ほとんど時間もかかりませんし、気力もいりません。この「始めるハードルを極限まで下げる」ことが、習慣化の第一歩を軽くする鍵となります。
小さな成功体験を積み重ねられる
「今日は疲れていて50回は無理…でも、1回だけはできた!」という経験は、「できた」という小さな成功体験になります。できなかった自分を責めるのではなく、「これだけはできた」と肯定的に捉えることで、自己肯定感につながり、次の日もまた「最低ライン」から始めてみようという気持ちになります。
「ゼロ」を回避できる
習慣化にとって一番の敵は、「今日はできなかったから、もう終わり」と、完全に中断してしまうことです。最低ラインを設定しておけば、どんなに忙しい日でも、疲れている日でも、「最低ラインだけはやった」という事実が残ります。これは「ゼロ」ではないため、習慣が途切れるのを防ぎ、無理なく継続へとつなげることができます。
あなただけの「これだけやればOK」を見つけるヒント
では、具体的にどのように自分にとっての「最低ライン」を見つければ良いのでしょうか。習慣化したいことによって、いくつかの考え方があります。
- 時間で区切る: 「〇分だけやる」と決めます。例えば、「本を読む」なら「1分だけ読む」、「勉強する」なら「5分だけ集中する」。短い時間なら、たとえ忙しくても確保しやすいものです。
- 量や回数で区切る: 「〇回だけやる」「〇ページだけやる」「〇個だけ片付ける」。これも具体的な最小単位を決める方法です。例えば「片付け」なら「机の上にある要らないものを1つだけ捨てる」といった具合です。
- 「形だけ」でもOKにする: 習慣化したい行動の「一番最初の動作」だけをやってみる。「運動」なら「ウェアに着替えるだけ」、「日記を書く」なら「ノートを開いてペンを持つだけ」。そこから自然と次の行動につながることもありますし、つながらなくても「最初のステップはクリアした」と見なします。
- 状況に応じて基準を変える: 「元気な日はしっかりやる、疲れている日は最低ラインだけ」と、その日の自分の状態に合わせて柔軟に基準を変えることを最初から許可しておきます。「完璧にやること」よりも「続けること」を優先する考え方です。
ゆるく続けるための心の持ち方
最低ラインの設定と合わせて大切にしたいのが、習慣化に対する心の持ち方です。
- できなかった日があっても気にしない: 人間なので、どうしてもできない日もあります。そんな日があっても「まあ、こんな日もあるよね」と軽く受け流すことが大切です。「できなかった自分はダメだ」と責めると、習慣化自体が嫌になってしまいます。
- 小さな変化に目を向ける: 最低ラインでの取り組みでも、続けていれば必ず小さな変化があります。例えば「毎日1回スクワット」でも、それを1ヶ月続ければ30回になります。すぐに大きな効果は感じられなくても、続けている自分自身や、少しずつ積み重なっている事実に目を向け、自分を褒めてあげてください。
- 完璧主義を手放す勇気: 「どうせやるなら完璧にやりたい」という気持ちは素晴らしいものですが、忙しい日々の中ではそれが習慣化の妨げになることもあります。「完璧でなくても良い」と自分に許可を出すことで、むしろ継続しやすくなります。
毎日が少しだけ心地よくなる
「最低ライン」という考え方は、忙しい日々の中でも新しい何かを取り入れ、心地よさを感じさせてくれる可能性を秘めています。毎日完璧にこなす必要はありません。ほんの少しの時間、ほんの少しのエネルギーでもできる「これだけやればOK」という自分だけの基準を見つけてみてください。
小さな一歩を踏み出し、それをコツコツと積み重ねていくことで、無理なく、でも確実に、日々の生活に前向きな変化や心のゆとりが生まれてくるはずです。「これなら自分にもできそう」と感じられるものから、ぜひ試してみてください。