忙しい人のゆる習慣

目についたらすぐやる！考える手間を省くゆる習慣

忙しい毎日に新しい習慣を取り入れる難しさ

日々の生活に追われていると、何か新しいことを始めようと思っても、なかなか一歩が踏み出せないものです。せっかく「これを習慣にしたい」と決意しても、「時間ができたら」「明日から頑張ろう」と先延ばしにしてしまったり、完璧を目指しすぎて途中で挫折してしまったり、といった経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

習慣化するためには、特別な時間を作ったり、強い意志力が必要だと思われがちです。しかし、忙しい中で完璧を目指すのはとても大変なことです。「時間がなくても大丈夫！完璧を求めないシンプルな習慣化テクニック集」では、頑張りすぎず、あなたのペースで続けられる「ゆる習慣」のヒントをお届けしています。

今回は、さらにハードルを下げて、「目についた時」をきっかけに、考える手間なくすぐできる超ゆるい習慣の始め方をご紹介します。

「目についたらすぐやる」がなぜゆるい習慣になるのか

「目についたらすぐやる」習慣の最大の特徴は、あらかじめ計画を立てたり、「〇時になったらやる」「この場所でやる」といったルールを決めたりする必要がない点です。特定の場所や時間帯に縛られず、日常生活の中で「あっ、これだ」と気づいた瞬間に、ごく小さなアクションを起こすだけです。

この方法の良いところは、習慣化の最初のハードルである「始めるぞ！」という意気込みや、やるべきかどうかを「考える」プロセスをスキップできることです。目に入ったものが、そのまま行動のトリガー（引き金）になります。「やろうかな、どうしようかな」と迷う時間をなくし、「見えたから、まずやってみよう」と自然に行動へ移りやすくなるのです。

具体的な「目についたらすぐやる」ゆる習慣のアイデア

では、「目についたらすぐやる」習慣は、具体的にどのように取り入れられるのでしょうか。いくつか例をご紹介します。

• 読みたい本が目についたら： 机や棚に置いている読みたい本がふと目についたら、すぐに手に取って1ページだけ開いてみましょう。たとえ内容が頭に入らなくても構いません。開いて閉じるだけでも立派な一歩です。

• 掃除機が目についたら： 部屋の隅に置いてある掃除機が目についたら、コードをコンセントに差し込むだけ。あるいは、スイッチを1秒だけ入れてすぐ切るだけでもOKです。

• 気になっている家事が目についたら： シンクに一つだけ残っている洗い物、ソファに置きっぱなしの洗濯物など、目についた家事があったら、その中でも一番簡単な「一つだけ」をやってみましょう。例えば、洗い物なら一つだけ洗う、洗濯物なら一枚だけたたむなどです。

• スマートフォンでやりたいことが目についたら： ToDoリストアプリの通知が目についたら、アプリを開くだけ。読みたいニュース記事の見出しが目についたら、タップして記事を開くだけ。後で読む、で構いません。

これらの行動は、どれも「全部終わらせる」ことを目的としていません。ただ「目についた」というきっかけを利用して、ほんのわずかなアクションを起こすだけです。

完璧を目指さないこと、小さな一歩を大切にすること

この「目についたらすぐやる」習慣を続ける上で最も大切なのは、やはり完璧を目指さないことです。

「目についたのにやらなかった」日があっても、まったく気にする必要はありません。また、たとえ始めたとしても、すぐに中断しても構いません。「今日はコードを出すだけ」「今日は1ページ開くだけ」というように、行動のハードルを極限まで下げておくのがポイントです。

人は、「やろう」と意識してから行動するまでにエネルギーを使います。「目についたらすぐやる」は、この「考える」というエネルギー消費を減らし、「見る」と「動く」を直結させるイメージです。

小さな行動でも、「できた」という事実は小さな達成感につながります。そして、この小さな達成感の積み重ねが、習慣を続けるための心地よい原動力になっていくのです。

この習慣がもたらす心地よい変化

「目についたらすぐやる」というゆるい習慣は、あなたの日常に次のような小さな変化をもたらすかもしれません。

• 罪悪感の軽減：「やらなきゃ」と思いつつ手付かずだったものに対する罪悪感が少しずつ和らぎます。
• 行動への抵抗感の低下：「ちょっとだけ」を繰り返すうちに、億劫だった行動への心理的なハードルが下がっていきます。
• 自己肯定感の向上：「できたこと」に目を向けやすくなり、忙しい中でも「自分はできることがある」という肯定的な気持ちが生まれます。
• 心のゆとり：「いつかやらなきゃ」というモヤモヤが減り、目の前のことに集中しやすくなります。

まとめ：あなたの「目につく」を心地よい習慣のきっかけに

忙しい毎日だからこそ、肩の力を抜いて、無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。今回ご紹介した「目についたらすぐやる」習慣は、特別な準備も、強い意志も必要ありません。あなたの日常生活の中にある「目につくもの」を、そのまま心地よい習慣のきっかけに変えるアプローチです。

「完璧にやろう」ではなく、「目についたら、ほんの少しだけ」という気持ちで、試しに一つから始めてみてはいかがでしょうか。この小さな工夫が、あなたの毎日を少しでも心地よく彩る一助となれば幸いです。