完璧じゃなくていい ほんの少しだけ取り組むゆる習慣
忙しい毎日でも「ほんの少し」ならできる
日々の忙しさに追われていると、「何か新しいことを始めたい」「この習慣を続けたい」と思っていても、なかなか実行に移せなかったり、始めてもすぐに挫折してしまったりすることは多いものです。完璧にやろうと意気込むほど、できなかった時に落ち込んでしまい、結局何も続けられない、という経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
でも、大丈夫です。習慣化は、何もストイックに毎日完璧にこなさなければ意味がない、というものではありません。むしろ、忙しい毎日の中で心地よく続けるためには、「完璧じゃなくていい」「ほんの少しだけやれば十分」という考え方がとても大切になります。
この記事では、時間がなくても、エネルギーがあまり湧かなくても、無理なく続けられる「ほんの少しだけ取り組むゆる習慣」の考え方と具体的なヒントをご紹介します。
なぜ「ほんの少し」が効果的なのか
「ほんの少しだけ」というアプローチが、特に忙しい方や習慣化が苦手な方におすすめなのには、いくつかの理由があります。
1. 始めるハードルが極限まで下がる
何かを始める時、私たちは往々にして「しっかりやらなければ」と考えがちです。例えば、「読書習慣をつけよう」と思ったら、「毎日30分は読まないと」と考えてしまうかもしれません。しかし、忙しい日に30分を確保するのは大変です。「今日は時間がないから無理だ」となり、結局全く手をつけない、ということになりがちです。
ここで「ほんの少しだけ」という考え方を取り入れます。例えば、「今日はまず1ページだけ読んでみよう」「本を手に取るところまでやってみよう」のように、行動のハードルを極限まで下げてみるのです。こうすることで、「これならできそう」と感じやすくなり、億劫な気持ちを乗り越えて行動を始めやすくなります。
2. 短時間で終えられるから続けやすい
「ほんの少し」の取り組みは、当然ながら短時間で完了できます。忙しい合間や、疲れて帰宅した後でも、数分やほんの一手間であれば捻出できる可能性が高まります。毎日続けたい習慣でも、特別な時間や場所を用意する必要がなくなり、日常生活の中に溶け込ませやすくなります。
3. 「できた」という小さな成功体験を積み重ねられる
完璧を目指すと、できなかった時に「失敗した」と感じてしまい、モチベーションが低下してしまいます。しかし、「ほんの少し」でもやることが目標であれば、それを達成できた時に「できた!」という確かな成功体験を味わうことができます。この小さな成功体験の積み重ねが、自己肯定感を高め、「明日も少しやってみよう」という前向きな気持ちにつながっていくのです。
「ほんの少し」を取り入れる具体的なヒント
では、実際にどのように「ほんの少しだけ」を習慣に取り入れていけば良いのでしょうか。いくつか具体的なヒントをご紹介します。
ヒント1:行動量を「最小単位」まで分解する
習慣にしたい行動を、これ以上分解できないという最小単位まで小さくしてみます。 * 例:「毎日運動する」→「スクワット1回だけ」「ストレッチを10秒だけ」 * 例:「毎日片付けをする」→「机の上のペンを1本だけ元の場所に戻す」「床に落ちているゴミを1つだけ拾う」 * 例:「毎日勉強する」→「参考書を開くところまで」「問題集を1問だけ解く」
本当に「これだけ?」と思うくらい小さくて構いません。まずはこの最小単位を毎日行うことを目標にします。体が慣れてきたり、気分が乗ってきたら、自然ともう少し長く続けられるようになることもありますが、無理に増やそうとは考えなくて大丈夫です。
ヒント2:「やめ時」を自分で決める
始めてみたけれど、「今日はもう疲れたな」「気分が乗らないな」と感じることもあるでしょう。そんな時は、「ほんの少し」やったら潔く中断して構いません。「ここまでやらないと!」という線引きを自分で設けるのではなく、「これくらいでやめておこう」と自分でコントロールする感覚を持つことが大切です。少しでもやれた自分を認めて、「今日の分はOK」としてしまいましょう。
ヒント3:他の習慣と「セット」にする
既存の習慣とセットにすることで、新しい習慣を思い出しやすくし、始める手間を減らすことができます。「朝起きて水を飲んだら、スクワットを1回する」「歯磨きをしたら、本を1ページだけ読む」のように、「〇〇したら△△する」というルールを自分の中で作ってみます。これも「ほんの少し」の行動であれば、既存の習慣の妨げになりにくく、スムーズに取り入れやすくなります。
ヒント4:場所や状況に紐づける
特定の場所に行ったり、特定の状況になったりしたら、「ほんの少し」だけやる、と決めておく方法です。 * 例:「ソファに座ったら、軽いストレッチを10秒だけする」 * 例:「キッチンに立ったら、コンロ周りを1箇所だけ拭く」 * 例:「電車に乗ったら、読書アプリを1ページだけ開く」
場所や状況がトリガーとなり、行動を思い出しやすくなります。そして、「ほんの少し」であれば、その場ですぐに完了できるため、後回しになりにくいというメリットがあります。
無理なく続けるための「心の持ち方」
「ほんの少し」という行動のヒントに加え、無理なく習慣を続けるためには、考え方や心の持ち方も大切です。
1. 完璧主義を手放す
「毎日やらないと意味がない」「決めた量は必ずこなす」といった完璧主義の考えは、習慣化においてはかえって足かせになることがあります。できなかった日があっても自分を責めず、「今日はできなかったけれど、また明日少しやってみよう」と、柔軟に捉えることが大切です。完璧を目指すのではなく、長く続けることを目標にしましょう。
2. 小さな成功を意識的に認める
「今日はスクワット1回だけしかできなかった」「本は開いただけで読めなかった」と思うかもしれません。しかし、そこで「できなかった」と捉えるのではなく、「スクワットを1回やった!」「本を手に取って開いた!」と、少しでも行動できた自分を意識的に褒めてみてください。どんなに小さな一歩でも、確実にあなたは目標に近づいています。その努力を自分で認めてあげることが、次の行動への活力になります。
3. 楽しむ工夫を取り入れる
習慣化したいことが、義務感だけになってしまうと辛くなります。どうすれば「ほんの少し」の取り組みを少しでも楽しめるかを考えてみましょう。好きな音楽をかけながらやる、お気に入りの道具を使う、達成できたら小さなご褒美を用意するなど、ゲーム感覚で取り入れてみるのも良い方法です。
「ほんの少し」がもたらす心地よい変化
「ほんの少しだけ」を続けることで、最初は変化を感じにくいかもしれません。しかし、日々積み重ねていくうちに、確実に小さな変化が生まれます。それは目に見える成果だけでなく、「今日はできた」という達成感や、自分でもできることがある、という自信につながっていきます。
忙しい毎日の中でも、「ほんの少し」自分のために時間を使うこと、そしてそれを続けることで得られる心地よさは、きっとあなたの心にゆとりをもたらしてくれるはずです。
まとめ
忙しい日々の中で新しい習慣を取り入れたい、でもなかなか続かない、完璧にできないと落ち込んでしまう。そんな時は、「完璧じゃなくていい、ほんの少しだけ取り組む」という考え方を試してみてください。
行動量を極限まで小さく分解し、「これだけならできる」というハードルで毎日挑戦してみましょう。できなかった日があっても気にせず、少しでもやれた自分を褒めることを忘れずに。他の習慣とセットにしたり、特定の場所や状況と紐づけたりするのも効果的です。
「ほんの少し」の積み重ねは、やがて大きな力となり、あなたの日常に心地よい変化をもたらしてくれます。まずは今日、何か一つ、ほんの少しだけ始めてみませんか。きっと、これまでとは違う景色が見えてくるはずです。