「やろうかな」を「できた」に変える 考える前の超ゆる習慣
忙しい日々の中で「やろうかな」が立ち消えになっていませんか
やろうと思っていることはたくさんあるのに、どうも腰が上がらない。時間がない、疲れている、面倒くさい。そんな風に感じてしまい、「やろうかな」と思った気持ちが、いつの間にか立ち消えになってしまうことはありませんか。
完璧にやろうとすると、準備から片付けまで考えると億劫になり、始める前に諦めてしまうことも少なくありません。でも、もし「完璧」や「ちゃんとやる」を手放して、考える前にほんの一歩だけ動いてみたら、どうなるでしょうか。
この記事では、忙しい中でも気負わずに、そして頭で考えすぎずに、最初の小さな一歩を踏み出すための「超ゆる習慣」についてお伝えします。
なぜ「考える」と動けなくなるのか
私たちは何か新しいことを始めようとするとき、つい色々と考えを巡らせます。
「これを始めたら、どれくらい時間がかかるだろう」 「ちゃんと続けられるだろうか」 「失敗したらどうしよう」 「そもそも、本当にやる必要があるのかな」
こうした思考は、時に必要ですが、忙しい時や疲れている時には、かえってエネルギーを消耗させてしまいます。そして、「やっぱり無理だ」「今はその時じゃない」と結論付けて、行動を起こさない理由を見つけてしまうことがあります。
「考える」という行為自体が、行動へのハードルを上げてしまうことがあるのです。だからこそ、「考える前に、まず少しだけ動いてみる」というアプローチが有効になります。
考える前の「超ゆる習慣」のヒント
頭で考えすぎる前に、自然と体が動くような仕組みや、始めるハードルを極限まで下げるための具体的なヒントをご紹介します。
1. 【最初の1アクションだけ】極小ステップを設定する
何かを始めようと思ったとき、その行動全体を見るのではなく、「最初のほんの一歩」だけに焦点を当てます。例えば、「部屋全体を片付ける」と思うと大変ですが、「テーブルの上にある本を1冊だけ元の場所に戻す」ならどうでしょう。「ストレッチをする」ではなく、「マットの上に立つだけ」や「腕を軽く伸ばすだけ」でも構いません。
これは、「作業興奮」と呼ばれる心理効果を利用した方法です。ほんの小さな一歩でも、行動を始めると脳が活性化し、そのまま次の行動へ移りやすくなります。考えるのは、最初の1アクションが終わってからでも十分です。
2. 【他の行動とセットに】トリガーを設定する
すでに日常生活に組み込まれている行動を「トリガー(きっかけ)」として利用します。「〇〇をしたら、必ず△△をする」とあらかじめ決めておくのです。考える前に、トリガー行動に引きずられるように次の行動が始まります。
例としては、
- 朝、歯磨きをしたら、コップ一杯の水を飲む
- ポストを見に行ったら、ついでに玄関の掃き掃除を10秒だけ行う
- コーヒーを淹れたら、コンロ周りを布巾で一拭きする
- テレビを見始めたら、その場で軽い足踏みを始める
このように、無意識に行っている行動に新しい「超ゆる習慣」を紐づけることで、考える隙を与えずにスタートできます。
3. 【場所や時間を固定】考える余地を与えない
「いつかやろう」ではなく、「この場所に来たら」「この時間になったら」と、行動する場所や時間を具体的に決めておくと、考える手間が省けます。特定の場所や時間帯を、その「超ゆる習慣」のスイッチにするのです。
例としては、
- キッチンに立ったら、その日の献立を1つだけ考える
- ソファに座ったら、読みかけの本を1ページだけ開く
- 夜9時になったら、スマホを触る代わりに、好きな音楽を1曲だけ聴く
- 玄関を出る前に、鏡の前で今日の自分に一言だけポジティブな言葉をかける
場所や時間が行動の合図となることで、自然な流れで習慣に入りやすくなります。
4. 【「やらない」を決める】完璧主義を手放す
「ちゃんとやらなくちゃ」「すべてを完璧に」という考えは、始める前の大きな壁となります。この壁を取り払うために、「今日はこれだけはやらない」とあえて決めてしまうのも一つの方法です。
例えば、「今日は洗い物を完璧に終わらせなくていい」「部屋の隅々まで掃除しようと思わない」と決めることで、心に余裕が生まれます。その浮いたエネルギーを、「お気に入りの紅茶を一杯だけゆっくり飲む」「窓を開けて新鮮な空気を吸う」といった、本当に心地よいと感じる「超ゆる習慣」にほんの少しだけ使ってみるのです。完璧にやらない自分を許容することが、継続への第一歩となります。
5. 【「できた」の基準を下げる】小さな成功を認める
「目標達成」を最終形とせず、「行動できたこと」そのものを成功と捉えます。たとえそれが「ほんの一歩」でも、「考える前に動けた」自分を認め、褒めてあげましょう。
「今日はマットの上に立つことしかできなかったな」ではなく、「マットの上に立つというアクションができた」と肯定的に捉え直します。「できたこと」に目を向ける習慣をつけることで、自己肯定感が育まれ、次の一歩への意欲につながります。
小さな一歩がもたらす心地よい変化
「考える前に動く」という「超ゆる習慣」は、大きな成果をすぐに約束するものではありません。しかし、続けることで、日々の生活にささやかな、しかし確実な変化をもたらします。
- 行動へのハードルが下がる: 小さな成功体験が積み重なり、「また少しだけやってみよう」という気持ちが自然と湧いてくるようになります。
- 自分に優しくなれる: 完璧を目指さないことで、できなかった自分を責めることが減ります。「これだけはできた」という肯定感が、心にゆとりを生み出します。
- 日常に小さな心地よさが増える: ほんの数秒や数分のアクションでも、意識して自分自身のために時間を使うことで、心が満たされる瞬間が増えていきます。
- 自己肯定感が育まれる: 「できた」という小さな積み重ねが、「自分にもできることがある」という自信につながります。
まとめ
忙しい毎日の中で、「やろうかな」と考えている間に時間だけが過ぎてしまうことは誰にでもあります。完璧に、ちゃんとやろうとするほど、足が重くなってしまうこともあるでしょう。
そんな時は、一度立ち止まって、「考える前に、ほんの一歩だけ動いてみよう」という「超ゆる習慣」を試してみてはいかがでしょうか。
部屋のホコリを指先でそっと拭う、靴を一足だけ揃える、お茶を一口だけゆっくり飲む。そんな、頭で考えなくてもできるような、ごく小さなアクションから始めてみてください。
完璧でなくても構いません。できたこと、そして少しでも行動を起こせた自分を、優しく認めてあげてください。
考える前の一歩から始まる「超ゆる習慣」が、あなたの毎日を少しだけ、そして確実に、心地よいものにしてくれるはずです。肩の力を抜いて、あなた自身のペースで、今日からほんの少しだけ始めてみませんか。