頑張らない習慣は「心地よさ」から 自分に優しいゆる習慣の見つけ方・育て方
忙しい毎日の中で「何か始めたい」けれど、なかなか続かない
時間に追われる日々の中で、「もっとこうなりたい」「新しいことを始めたい」と感じる瞬間はきっとありますよね。読書をする、運動をする、資格の勉強をする、朝早く起きる...。でも、いざ始めてみようと思っても、なかなか一歩が踏み出せなかったり、始めても三日坊坊になってしまったり。
「忙しいから仕方ない」「意志が弱いからだ」と、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。完璧を目指して頑張りすぎて、疲れてしまう経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、大丈夫です。習慣化は、ストイックな努力や強い意志力だけで成り立つものではありません。特に忙しい毎日の中では、完璧な習慣を維持するのは現実的ではないことも多いものです。
この記事では、そんな頑張り屋さんのあなたが、自分を責めることなく、無理なく心地よく続けられる「ゆる習慣」を見つけ、育てるための考え方やヒントをご紹介します。「これならできるかも」そう感じていただけたら嬉しいです。
完璧主義を手放すことからはじめませんか
新しい習慣を身につけようとする時、つい「毎日〇分やる」「〇〇を必ずこなす」といった具体的な目標を立てがちです。もちろん、目標設定は大切ですが、忙しい日々に完璧を求めすぎると、少しでも崩れた時に「失敗した」「もうダメだ」とすべてを諦めてしまうことにつながりやすいのです。
大切なのは、完璧にこなすことではありません。少しでも良いから続けること、そして何よりも、その過程であなたが心穏やかでいられることです。完璧主義を手放し、「できたこと」に目を向け、「できなかった日があっても気にしない」という心のゆとりを持つことが、ゆる習慣を続ける上での最初のステップとなります。
「心地よさ」を羅針盤に、自分だけのゆる習慣を見つける
では、具体的にどのような習慣を取り入れたら良いのでしょうか。答えは、「あなたが心地よいと感じること」です。
習慣化というと、「やるべきこと」のように感じてしまうかもしれませんが、ゆる習慣は「やりたいこと」「やってみたら心地よかったこと」を大切にします。
まずは、あなたの日常の中にすでに存在している小さな心地よい瞬間や行動に目を向けてみましょう。
- 朝、カーテンを開けて光を浴びるのが気持ち良い
- 一杯の温かい飲み物をゆっくり飲む時間が好き
- 好きな音楽を聴くと気分が落ち着く
- 植物の世話をすると癒される
- きれいな景色を眺めるのが好き
- ふわふわのタオルを使うとホッとする
これらは、すでにあなたが無意識に行っている「心地よい習慣候補」です。これらを「これも自分を満たす大切な時間なんだ」と意識するだけでも、日々の充実感は変わってきます。
もし、何か新しいことを始めてみたいと感じるなら、世間で良いとされている習慣に無理に挑戦するのではなく、「少しでも心が惹かれること」「やってみたら心地よさそうだと予感すること」を選んでみてください。最初は「〇〇をやらなければ」ではなく、「〇〇、ちょっとやってみようかな」くらいの軽い気持ちで試してみるのがおすすめです。
小さく始めて、心地よく育てるゆる習慣のヒント
「心地よい」と感じる習慣候補が見つかったら、次はその習慣を無理なく続けるためのヒントです。
1. ハードルを極限まで下げる
始めるハードルが高いと、それだけで億劫になってしまいます。「1分だけやってみる」「まずは道具を手に取るだけ」「ページを1行だけ読む」など、最初の行動を限りなく小さく設定します。やってみたら意外と続けられた、という経験が自信につながります。
2. 「他の行動とセット」にする
すでに毎日行っている行動に、新しいゆる習慣を紐付けます。例えば、「朝起きて歯磨きをしたら、窓を開けて深呼吸を1回する」「お風呂から出たら、好きな香りのボディクリームをひじにだけ塗る」などです。「〇〇したら、次はこれ」という流れができると、考える手間がなくなり、自然と行動に移しやすくなります。
3. 場所や時間を決めてみる（緩やかに）
「この場所に行ったらこれをする」「この時間になったらこれを少しだけやってみる」など、行動のきっかけ（トリガー）を緩やかに設定するのも有効です。例えば、「ソファに座ったら、本を1ページだけ開く」「寝る前に、今日あった良かったことを1つだけ思い出す」などです。場所や時間がトリガーとなり、行動を促してくれます。もちろん、その通りにできなくても構いません。
4. 「できたこと」を認める
たとえ設定した目標のほんの一部しかできなくても、できた自分を褒め、認めてあげてください。できなかった部分に目を向けるのではなく、「これだけでもできた」という小さな達成感を積み重ねることが大切です。小さな成功体験は、次へのモチベーションにつながります。
5. 「心地よくなかったらやめてもOK」の自由さを持つ
習慣化しなければ、と気負う必要はありません。やってみたけれど、どうもピンとこない、心地よくないと感じたら、無理に続ける必要はありません。あなたの目的は「心地よい毎日」を送ることだからです。別の方法を試したり、一度手放してみたり、自分に合ったペースと方法を自由に探しましょう。
6. 心地よさを感じる工夫を取り入れる
例えば、好きな香りのアロマを焚きながら行う、お気に入りの音楽をかける、好きな色やデザインのノートを使うなど、習慣を行う際に心地よさをプラスする工夫を取り入れてみましょう。習慣そのものが、自分を満たす楽しい時間へと変わっていきます。
ゆる習慣がもたらす心の変化
完璧な習慣をこなすことだけが成果ではありません。ゆる習慣を続けることで、あなたの心には穏やかな変化が訪れるはずです。
「少しでもできた」という小さな成功体験は、自己肯定感を高めてくれます。日々の忙しさの中で、ほんの少しでも自分のための時間を持つことは、心にゆとりを生み出し、ストレスを和らげる効果も期待できます。そして、「心地よい」と感じる瞬間を意識的に増やすことで、日々の小さな喜びに気づきやすくなり、より穏やかで満たされた気持ちで過ごせるようになるでしょう。
まとめ：完璧じゃなくても大丈夫、心地よさを大切に
忙しい毎日でも、新しい習慣を取り入れることは可能です。大切なのは、完璧を目指さず、自分に優しく、そして何よりも「心地よさ」を羅針盤にすることです。
大きな目標やストイックなルールは必要ありません。あなたの日常の中にすでにある小さな心地よさを見つけること、そして少しだけ意識して続けてみること。最初は数秒や数分で構いません。
「これならできるかも」と感じる小さな一歩から、ぜひ始めてみてください。できなかった日があっても自分を責めないでください。あなたのペースで、あなたの心地よさを大切に。
ゆる習慣は、あなたの毎日を義務で埋めるものではなく、あなたの心を満たし、日々にそっと寄り添ってくれる存在です。小さな変化の積み重ねが、きっとあなたの毎日をより心地よく、穏やかなものにしてくれるでしょう。