面倒くさい気持ちに寄り添う 最初の「ちょっとだけ」ゆる習慣
忙しい毎日、「何か始めたいけど、面倒くさい」と感じていませんか？
新しい習慣を取り入れたい気持ちはある。でも、いざ始めるとなると「時間がない」「疲れているし」「なんだか面倒だな」と、ついつい後回しにしてしまう。結局何も始められず、自己嫌悪に陥ることもあるかもしれません。
特に、家族のことや家事などで自分の時間が限られている中で、新しいことに取り組むエネルギーを捻出するのは大変なことと思います。過去に完璧を目指して挫折した経験があると、「どうせ続かない」と始める前から諦めてしまうこともあるかもしれません。
この記事では、そんな「面倒くさい」という気持ちに寄り添いながら、驚くほど簡単に最初の一歩を踏み出すための「ゆる習慣」のアイデアをご紹介します。頑張りすぎず、心地よく続けられるヒントを見つけていただけたら嬉しく思います。
なぜ「面倒くさい」と感じてしまうのでしょうか
新しい習慣を始めることに対して「面倒くさい」と感じるのは、決してあなたが怠けているわけではありません。そこにはいくつかの理由が考えられます。
- 時間や体力的な制約: 忙しい毎日の中で、これ以上タスクを増やしたくないという正直な気持ちがあります。
- 完璧主義: 「どうせやるならちゃんとやりたい」「完璧にこなせないなら意味がない」と考えてしまい、始めるハードルが高くなっています。
- 未知への不安: 新しいことを始めること自体に、無意識の不安や億劫さがある場合があります。
- 過去の失敗経験: 以前挑戦して続かなかった経験が、「どうせ今回も…」という気持ちにつながっている可能性があります。
こうした「面倒くさい」という気持ちは、あなたの自然な感情の一部です。この気持ちを否定したり、無理やり「頑張るぞ！」と奮い立たせる必要はありません。大切なのは、「面倒くさいな」と感じた時に、どうすれば最初の一歩を楽に踏み出せるかを知っておくことです。
最初の一歩を「ちょっとだけ」にする具体的なアイデア
「面倒くさい」という気持ちがあっても始められる最大の秘訣は、最初の一歩を極限まで小さくすることです。「ちょっとだけ」なら、時間もエネルギーもそれほど必要ありません。
ここでは、最初の一歩を「ちょっとだけ」にするための具体的なアイデアをいくつかご紹介します。
1. 「1分だけやってみる」と決める
「〇〇をやるぞ！」と考えるのではなく、「とりあえず1分だけやってみよう」と決める方法です。例えば、「掃除機をかける」のが面倒なら、「とりあえずコードを出して1分だけかける」、「読書をする」なら「とりあえず1分だけ最初のページを開く」。タイマーを1分にセットして始めてみましょう。たった1分なら、「まあ、それくらいならできるか」と感じやすいものです。始めてみると、意外とそのまま数分続けられたり、あるいは1分で終わっても「できた」という小さな達成感を得られます。
2. 「とにかく触る」をスタートにする
物理的に対象に触れることを習慣のスタートラインにする方法です。例えば、運動習慣なら「とりあえずウェアに触れる」、勉強なら「テキストを開いてみる」、楽器なら「楽器に触れて音を出す」。行動のハードルを「触る」というごく簡単な動作まで下げてしまうのです。実際に触れると、次の行動に移りやすくなることがあります。
3. 対象を「最小単位」に区切る
習慣化したい内容を、これ以上小さくできない最小単位に区切ります。例えば、「本を読む」なら「1ページだけ」、「日記を書く」なら「1行だけ」、「筋トレ」なら「腕立て伏せ1回だけ」。全体を考えると気が遠くなりますが、最小単位なら「これだけなら一瞬で終わる」と感じられます。その「一瞬」の積み重ねが、いつか大きな変化につながっていきます。
4. 「場所」をスタートの合図にする
特定の場所に行くことを習慣の開始の合図（トリガー）にします。例えば、キッチンに行ったら「コップ一杯の水を飲む」、玄関を通ったら「靴を揃える」、リビングの特定の椅子に座ったら「本を手に取る」。場所と行動を結びつけることで、「どこでやるか」を考える手間がなくなり、自然な流れで行動に移りやすくなります。
5. 「目に見えるところに置く」物理的なハードルを下げる
習慣に使いたいものを、すぐに手に取れる、目につく場所に置いておくことです。例えば、寝る前に水を飲む習慣なら枕元にボトルを置く、ストレッチならマットをリビングに出しておく、本を読みたいならテーブルの上に開いて置いておく。これにより、「えっと、あれはどこだったかな…」と探す手間や、わざわざ取りに行くという行動のハードルをなくすことができます。「見る」→「手に取る」→「始める」という流れがスムーズになります。
「ちょっとだけ」を心地よく続けるための心の持ち方
最初の一歩を「ちょっとだけ」にしても、続ける中で「できなかった…」と思う日があるかもしれません。そんな時も、自分を責めたり、落ち込んだりする必要は全くありません。
- 完璧主義を手放す: 毎日できなくても、決めた時間できなくても大丈夫です。「ちょっとでもできた」日を◎、「全くできなかった」日を△と記録するくらいで十分です。△の日があっても、次の日に〇を目指せば良いのです。
- 「できたこと」に目を向ける: 「今日はこれしかできなかった」ではなく、「面倒だったけど、これだけはできた！」と、小さな成功に意識を向けましょう。できたことを認めることで、自己肯定感が育まれ、次の一歩を踏み出すエネルギーになります。
- 「やりたくない日」は休む勇気を持つ: 体調が悪い日や、どうしても気持ちが乗らない日は、無理にやろうとせず潔く休みましょう。これはサボりではなく、長く続けるための大切な休息です。「休んだからもうダメだ」ではなく、「今日は休んだけど、また明日から『ちょっとだけ』やってみよう」と柔軟に考えることが大切です。
- 自分に優しく: 何よりも、自分自身に優しく寄り添うことを忘れないでください。忙しい中でも何か新しいことを始めようとする、その気持ち自体が素晴らしいことです。完璧にこなすことよりも、「ゆるく」でも続けること、そしてそのプロセスで自分を大切にすることを一番に考えましょう。
「ちょっとだけ」習慣がもたらす心地よい変化
たとえ「ちょっとだけ」でも、習慣として日々の中に溶け込ませることで、様々な心地よい変化を感じられることがあります。
- 小さな達成感の積み重ね: 「今日もちょっとだけできた」という感覚が、毎日の自信につながります。
- 自己肯定感の向上: 「自分にもできた」「自分を大切にできている」という実感が、自己肯定感を高めてくれます。
- 「面倒くさい」気持ちが少し軽くなる: 始めるハードルが低いことで、以前ほど面倒に感じなくなることがあります。
- 思っていたより長く続けられる: 「ちょっとだけ」のつもりが、夢中になって続けられることも少なくありません。
- 日々の生活に心地よさが生まれる: 習慣が生活の一部になることで、心にゆとりが生まれ、毎日が少しだけ豊かに感じられるようになるでしょう。
まとめ：あなたらしい「ちょっとだけ」から始めてみませんか
「何か始めたいけれど、どうも面倒で腰が上がらない」。そんな時は、「やらなきゃ」と気負うのではなく、「面倒くさいな」という自分の気持ちに優しく寄り添ってみてください。そして、最初の一歩を驚くほど小さな「ちょっとだけ」に設定してみましょう。
「1分だけ」「触るだけ」「1ページだけ」…。どんなに小さな一歩でも構いません。そして、たとえ毎日できなくても、完璧じゃなくても大丈夫です。できた日には自分を褒め、できなかった日には「また明日から」と気楽に考えましょう。
あなたらしいペースで、あなたにとって心地よい「ちょっとだけ」から、ゆる習慣を始めてみませんか。その小さな一歩が、きっとあなたの日常に、ささやかだけれど確かな心地よさをもたらしてくれるはずです。応援しています。