中断しても大丈夫 忙しい日のゆる習慣「再開」を楽にするヒント
忙しい毎日の中で、「これだけはやってみよう」と新しい習慣を始めても、なかなか続けられず中断してしまうことはありませんか。
最初はやる気があっても、仕事や家事、育児に追われるうちに「今日はもう時間がない」「疲れてしまってそれどころじゃない」となり、気づけば数日、数週間と日が空いてしまう。そして、「ああ、また続かなかった」と自分を責めてしまい、再開するどころか、その習慣自体から遠ざかってしまう。そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
完璧に毎日続けられなかったことに対して、「自分には習慣化は無理なんだ」と諦めてしまうのは、とてももったいないことです。習慣が中断してしまうのは、あなたの意志が弱いからではありません。むしろ、忙しい中で新しいことを始めようとしたこと自体が素晴らしい一歩なのです。
この記事では、忙しい日常で習慣が中断してしまっても、自分を責めずに、もっと気軽に「また始める」ためのゆるいヒントをご紹介します。完璧を目指すのではなく、「中断は当たり前、再開はいつでもOK」という新しい習慣化の考え方を取り入れて、心地よく続ける方法を探してみましょう。
中断は「失敗」ではなく「一時停止」と捉えましょう
まず大切なのは、習慣が中断したことを「失敗」だと決めつけないことです。私たちの日常は予期せぬ出来事の連続です。急な用事が入ったり、体調が優れなかったり、気分が乗らなかったり、様々な理由で習慣に取り組めない日はあって当然です。
そんな時、「あ、今日はできなかったな」で終わりにしましょう。「一日でも休んだらもう終わりだ」と考える必要はありません。習慣は、電車のように一度降りたらもう乗れないものではなく、自転車のようにいつでもまたペダルを漕ぎ始められるものです。中断は、ただの「一時停止」ボタンを押しただけ。落ち着いたら、また再生ボタンを押せば良いのです。
この「一時停止」という考え方を取り入れるだけで、中断したことへの罪悪感がぐっと減り、再開へのハードルが下がります。
「完璧な再開」を目指さない
再開を難しくしている原因の一つに、「中断する前と同じように完璧にやろう」と考えてしまうことがあります。例えば、毎日30分運動していた習慣が中断した場合、「また明日から30分しっかりやらないと」と考えてしまいがちです。
でも、考えてみてください。中断したということは、何かしら忙しかったり、エネルギーが足りなかったりしたからです。その状態から急に元のペースに戻そうとするのは、再び無理が生じやすく、またすぐに中断してしまうことになりかねません。
再開する時は、「完璧な再開」を目指す必要はありません。むしろ、「中断する前の自分」と比べるのをやめましょう。再開のハードルを極限まで下げることが、再び習慣に乗るための鍵です。
再開を楽にする具体的なゆるヒント
では、具体的にどのように再開を楽にすれば良いのでしょうか。いくつか試しやすいヒントをご紹介します。
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「最初の1分だけ」ルールで始める 中断した習慣を再開する際、「よし、今から〇〇するぞ」と身構えるのではなく、「とりあえず1分だけやってみよう」と始めてみます。例えば、中断していたストレッチなら「マットの上に立つだけ」、読書なら「本を開いて最初の1行だけ読む」、勉強なら「テキストを開くだけ」。最初の1分で「もうちょっとやっても良いかな」と思えたら続ければ良いですし、「やっぱり今日は無理そう」と思ったら1分でやめてしまっても大丈夫です。この「1分だけ」が、再開への重い腰を上げるきっかけになります。
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「中断した場所」から始めようとしない 中断したからといって、完璧に最初からやり直す必要はありません。例えば、中断していた語学学習なら、前回どこまで進んだか思い出そうと頑張るより、気になった章や、簡単にできそうな練習問題から手をつけてみるのも良いでしょう。「中断した場所」にこだわる必要はなく、「今の自分ができること」から始めてみる柔軟さが大切です。
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再開の「きっかけ(トリガー)」を決めておく 「何となく時間があいたらやろう」と思っていると、忙しさの中でつい忘れてしまいがちです。「〇〇したら、中断していた△△を再開する」というように、すでに日常で行っている行動とセットにして再開のトリガーを決めておくとスムーズです。例えば、「コーヒーを淹れたら、読みかけの本を手に取る」「夕食の片付けが終わったら、短い瞑想アプリを開く」など、具体的な行動を決めておきましょう。
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再開しやすい状態をキープする 習慣が中断した時に、関連するものを片付けてしまうと、再開する際にまた準備が必要になり、ハードルが上がります。可能であれば、中断した時の状態のまま、すぐに取り掛かれる場所に置いておきましょう。例えば、読みかけの本は目につくテーブルの上に、使ったヨガマットは巻きっぱなしで部屋の隅に置いておくなど、物理的に「再開しやすさ」を意識する工夫をしてみましょう。
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「できたこと」だけに目を向ける 習慣が中断してしまった期間や、完璧にできなかったことを数えるのではなく、「再開できた自分」に目を向け、その小さな一歩を認め、褒めてあげましょう。例えば、「今日は1分だけだったけど、中断していた習慣を再開できた!」という事実を大切にしてください。中断する前のペースに戻れなくても、再開できたこと自体が素晴らしい成功体験です。この「できたこと」に注目する習慣をつけると、自己肯定感が高まり、また次も気軽に再開してみようという気持ちにつながります。
ゆるく続けるための心の持ち方
習慣を「ゆるく」続けるためには、具体的な行動だけでなく、心の持ち方も非常に重要です。
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自分に優しく、完璧主義を手放す 忙しい中で、すべてのことを完璧にこなそうとすると、心身ともに疲弊してしまいます。習慣についても、「毎日絶対」「〇〇分必ず」といった堅いルールではなく、「できたらいいな」「今日はこれくらいで大丈夫」という柔軟な考え方に変えてみましょう。完璧主義を手放し、自分に優しくなることが、長く心地よく続ける秘訣です。
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習慣を「義務」ではなく「自分を労わる時間」に 習慣を「やらなければならない義務」と感じると、負担になり、中断した際に自己嫌悪につながりやすくなります。そうではなく、その習慣が自分にとってどんな良い時間や変化をもたらすか、というポジティブな側面に目を向けましょう。「これは自分の心や体を整えるための時間」「ちょっとしたリフレッシュになる」といったように、習慣を「自分を労わるための時間」と捉え直すと、主体的に取り組みやすくなります。
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楽しむ工夫を取り入れる 習慣自体を楽しむ工夫を取り入れるのも有効です。好きな音楽を聴きながら行う、お気に入りの道具を使う、小さな目標をクリアするごとにささやかなご褒美を用意するなど、自分にとって「心地よい」「楽しい」と感じられる要素を加えてみましょう。楽しさは、続けるための強力なモチベーションになります。
まとめ
忙しい日々の中で、習慣が中断してしまうのは、決して珍しいことではありません。それはあなたの失敗ではなく、ただの「一時停止」です。大切なのは、そこで諦めてしまわずに、「また始めよう」と気軽に一歩を踏み出すことです。
完璧な継続を目指さず、「1分だけやってみる」「中断した場所を気にしない」「再開しやすい工夫をする」といったゆるいヒントを活用してみてください。そして何より、再開できた自分を褒め、完璧にできなくても自分を責めないこと。習慣を「自分を縛るもの」ではなく、「日々の生活を少しでも心地よくするためのもの」と捉え直しましょう。
小さな一歩でも、また始めることができれば、それは素晴らしい進歩です。忙しいあなたの日常に、頑張りすぎない「再開」の習慣を取り入れて、心にゆとりと穏やかな変化をもたらしていきましょう。応援しています。